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ごく普通の毎日


by nyph

老犬、最後の一年の様子

また長文です。

私は断然、猫派です。
2年半前に猫がいなくなってからも「あ~猫がほしい~犬はあんま好きじゃなーい」と常々言っていました。

犬ってなんか汚いし・・外で飼っていたから特に。
そして今年に入ってからの老け込み方はビックリする程でした。
もうズタボロの雑巾のようでした。そして、なにより臭い・・。
でも、そんな犬のケアをしてあげるという考えが私達家族には全くありませんでした。
なんてひどい家族だったんでしょう。

「斜めに歩いてる」
「目も耳も全くダメだ~」
「死にかけだからしょうがないね」と、これがお決まりのフレーズになって笑っていた程です。

なんせ1日中寝て夕方、餌と散歩の時間になるとスックと立って楽しみに待っています。
餌を食べる凄まじい勢いは喉につまるんじゃないかと心配になる程でした。ほんとに一瞬で飲み込みます!

本当に元気でした。

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毛もじゃでした。右に顔です。



今年の始め、目ヤニがあまりにひどくて不安になった私は病院へ連れて行きました。
目が見えないことを理解してない母親が犬を車の座席から地面に落下させた時はキレそうになりました。

病院では目薬をもらっただけでした。とにかく嫌がって興奮状態。これがストレスになってるかも~とまた不安に。この頃、目もひどかったけど耳の臭いがひどくて!でも触らせてくれないし、病院でも全然軽症と言われました。なんだ心配いらないか。

そして夏頃から段々こいつが何をしたいのか、何のためにここにいるのか分からない程ただの老いぼれになっていきました。
狭い所に入り込んで出られなくなったり、ぼーっとしてたり、そしてとにかく反応がありません。
何も見えてないし、聞こえてないので誰も声をかけることもなくなって来ました。

でも、散歩と餌だけは喜んでました。あとは爆睡です。
「さ、散歩行くよ~」と聞こえてはないだろうけど、いつものように声をかけます。

リードを持つ気配で「散歩だ」と分かっていたような感じです。
でも、気を付けていないと用水に落ちたり、段差でずっこけたり、上り坂では怖がって上がってきません。でも「はい、坂だよ~おいで」と言うとヨタヨタしながらもちゃんと上がってきました。たまに散歩中にスイッチが切れたように動かなくなることも。

元気な時は私が犬に散歩させられてるようでしたが、この頃は私が誘導するように先を歩きます。そしていつ川に落ちるか、道路にはみ出すか分からないので私は後ろ向きで歩き、一瞬たりとも目を離せません。
今年の始め頃はまだ1メートルの高さをジャンプして下りたりしていたくらいですから、本当に犬が老いるのは早いです。

そんな状況でも散歩は大好き、ぼんや~り見えるコンクリートの境目の線をジャンプとも言えないジャンプで避けて歩こうとする姿がおかしくって毎回笑ってました。
「そこ全く飛ぶ必要ないんですけど・・・くくくっ。」
「さ、戻ろう~」と言っても「もっと行きたい」と踏ん張ります。意外にすごいパワーです。

しかし、たった30メートルの散歩でも20分くらいかかるので正直しんどいです。散歩する方は辛抱辛抱。

ある日の散歩の途中、景色の写真を撮ろうとしてちょっと目を離すと用水に前足が落ちてビックリして走り出そうとしました。「わぁあああーごめんごめん!!」

ふと考え事をしてたら大きな川に落ちかけ前足だけで縁にしがみついてた時もありました。
「ロンー!!!」と必死に掴まえました。(犬、というのをやめます。名前はロンです。)
目が見えないと、怖いですね・・・悪いことをしました。
ぎゅっとしてたらロンの心臓がバクバクでした。
でも・・後ろ足をバタバタさせてる姿を思い出し、後で笑っちゃってました。確かこれが10月・・先月のことです。

本格的におかしくなってきたのは9月頃だったかと。
なんと犬小屋に入りません。
それから、屋根のある所に移動させることに。

おやつも固い物はダメだろうと柔らかめを買いますが、歯が悪いのか?左側の歯だけで必死に噛むのでどんどん体が左側へ曲がっていく・・(笑)噛むのもつらいのかな?上から見ると体がUの字に曲がっています。

夏は特に、暑いだろうとひえひえシートを買ったり、しょっちゅう水を口元に持っていってやったり今までにないくらい面倒を見た感じでした。
祖父が8月に亡くなってからと言うもの、ロンが寂しさからすぐ後を追って行くのではないかと思ったからです。

昼間はいつも家に祖父とロンの二人きりです。祖父は庭いじりが日課で雨の日でもカッパを着て庭に出ていました。その気配をロンはいつも感じていたと思います。
そして毎日3時にヨーグルトをあげていました。それがお互いのボケ防止にもなっていたのでは?
ヨーグルトには砂糖が入っていましたが誰もやめてとは言いませんでした。祖父の日課でした。もう何年続けていたでしょう。

今年の5月21日。足腰弱ってきたよ~。
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私が大きく後悔していることが。
本当に老犬になってきたので色々不安だった私は8月頃に「ゆっくり食べられる食器」というのに変えました。
変に突起してたりして食べにくさからゆっくり食べられるものでした。(老犬になると飲み込む力が弱くなるし、消化もうまく出来ないからゆっくり食べさせることが大事、と知って。なんせすんごいスピードで平らげます。)
もしかしたらそれのせいでストレス感じてたかな・・・・。
あんなに楽しみだった食事の時間を私が8月にぶち壊したのでは。
11月に立てなくなってからようやく気付いて元の餌皿に戻しました。かわいそうだったな。

もうひとつ、後悔していることがあります。
2011年、まだアメリカにいた時「この暑さでロンが弱るのでは?」と思った私は毛をカットしてあげて、と日本の家族に頼みました。
長毛犬はちゃんと手入れしてあげないと皮膚病で死んでしまう、と聞いたからでもありました。
とにかくカットなんてロンは嫌がってさせないので家族が出張トリミングを頼んでくれたようです。
私は大喜び。
しかし、その翌日「ロンが元気ない。もうダメかも。」とメールが来ました。
ずっと寝転がったまま、名前を呼んでも反応無し、餌も全く食べないのが3日も続きました。
病院にも行きました。
そして、まさかの復活です。
心底ほっとしました。
トリミングでのストレスが原因で、犬にはよくあるようです。そんなこと知らなかった・・・。ごめん・・私が無理に頼んばっかりに。
私のせいで、しかも日本を離れてる間に死んじゃったら後悔してもしきれない、と絶望したものです。
しかし、この時の大きなストレスも死に関係していると思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

そんな感じでどんどん、すごいスピードで年老いていった今年です。
消え行く命を見ているようで、なんだか切ない日々だったように思います。
でも、そんな見るのも嫌~と思っていた姿も今思い出すととてもかわいく幸せな気持ちになるのです。

まだ続きます。
Commented by 海愛 at 2013-06-23 13:37 x
初めまして!
名古屋に住んでいる海愛(みあい)13歳です!

今、私の家にも立てなくなった14歳の老犬がいます。
犬はアニーといいます。
このブログを見ていたら、涙が止まらなくなってしまいました。
今は、ご飯も缶詰と牛乳を混ぜたものと、水しか口にしません。
歩けなくて、散歩も行けませんし、寝たまま排泄してしまいます。
ちなみに私の犬は、「ガンだ」と言われました。
Commented by nyph at 2013-06-24 10:52
海愛さん。

こんにちは。コメントありがとうございます。
アニーは病気なんですね。海愛さんの生まれる前からいたんですね!

今は色々お世話しないといけないので大変だと思いますが、アニーは喜んでいると思いますよ。みんなで自分を助けてくれていること。
これからもアニーと一緒に楽しい時間を過ごして下さいね。
Commented by まんく at 2015-04-23 00:24 x
うちの犬も、よかれと思ったトリミングサロンでグッタリしてしまった経験あります。
虐められた可能性もありますが
信頼できるものって飼い主しかないって思いました
Commented by nyph at 2015-04-27 11:54
まんく様

犬の、飼い主への忠誠心はすごいものがありますよね。
無償の愛とも言いますか。
トリミングくらいで・・と思いましたが飼い主以外に触られるのは
やはり相当なストレスみたいですね!
by nyph | 2012-11-21 22:15 | 老犬物語+猫 | Comments(4)