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ごく普通の毎日


by nyph

19日、うちの犬が旅立ちました(亡くなる前24時間の出来事)

(時系列インデックス作りました→

今日は初めて、笑顔でロンの遺骨に手を合わせました。
「そっちで、元気でやれよ!いっぱい食べていっぱい走れよ、ロン。」


亡くなる前日の日曜日です。
朝方から鳴き続け、6時20分くらいに母が見に行ってから、なんと1時間半程静かでした。1時間半も!

結局、8時頃にはまた鳴き出しましたが母が立たせてみたり色々してくれてました。

「どうして欲しいがか、分からんわ~。」
「そうやね。ねぇ、6時20分頃ロンのとこ来たやろ?何した?すごい静かになったけど。」
「撫でとっただけ。」
「へぇ~~~~。撫でただけかぁ。」

やっぱり心細いのかな?




12日、獣医さんに「明日も来て。」と言われ病院には2日連続で行きました。
その時、「関節が痛くなくなる薬」をもらって、水分補給?の注射もしてもらいました。血尿は治りました。原因を聞いたら「もうこんな年やから、筋肉なんかも混じっとるわ。」と聞いて、納得しました。
その時「寝たきりになっても、足を動かすことが大事。曲げたり伸ばしたりして、たまに立たせてあげて。」

そっか、そっとしておくのはダメなんだ、と私はそれからよく立たせたりしたけど・・・。
亡くなる直前までそんなことしてたから、痛かったかも、苦しかったかも。最後の方は首にも力が入ってなくて、身体を支えることに気を取られてたら頭をいろんなとこにぶつけてた。たまに前に倒れた時も。
身体はもう骨と皮だけで、起こす時に関節外れるんじゃないか、骨折れるんじゃ、という位頼りなくて軽い。たまにボキボキと鳴ります。
でも起こすと尻尾があがります。興奮しているだけなのか、分かりませんが。

病院に行った日はまだまだ力もあって、いっぱい食べて、薬も飲んでたけど結局薬は2回程しかあげませんでした。
この状態からまた立てるようになるなんて絶望的だし、なんか無理に元気にさせるような、そんな違和感があったからです。もちろん元気になって欲しいけど、もう頑張らないで欲しい。
「自分はもう立てない」と分からないらしい犬は必死で立とうとします。何度も何度も。
その姿が哀れで、滑稽で、そして悲しいです。

12日の体重は7.2kgでした。
去年のトリミング事件から一気に2kgも減っていて、獣医さんに怒られました。「定期的に来ないとダメ。」
その日からどんどん軽くなっていった気がします。昔は抱っこするのに「うおりゃ~あ!」って声出さないと持ち上げられなかった。12、3kg?もっとあったかな。

日曜日に戻ります。

朝8時頃から、全身を拭いたり、はちみつとアイスクリーム(パナップのチョコ。)あげたらちょ~っと舐めてくれた!やった~。

餌の匂いをかぐと、それだけで興奮しまくってたやつが鼻にくっつけても口に入れようとしても全く反応なくなったのが金曜日の夕方から。それからほとんど何も食べてなかった。
前日の17日の夜は半信半疑でアイスをあげると「ん?」と目が開いて、それから10分くらい途中疲れるのか休みながらペロペロ。忘れられない光景です。

とにかくずっと鳴いているので「たまにほっといてもいいかもね。」と言って、私は用事があり外出しました。
8時間後、帰ってきたら家族の様子が違っていました。
ロンを憎らしそうに見ています。
「ずっと鳴いとった。何しても意味ないし、ほっといたわ。」
せっかくの日曜日、まぁ無理もないかな・・・。でもこんなに弱ってるのにさ、もう(悲)

そして帰宅した夕方5時頃から7時頃までなんやかんやとしてたんですが、とにかく排便が一人で出来なくて久々に大きい声で鳴きだしました。「うー、ワン!!ワン!!」こっちもマッサージしてみたり、力が入るように足曲げたり何やらしますが、まだ体内に残ってる様子。格闘しますが、どうにもダメ。何回も体勢変え、1回立たせ、お尻の方をグイグイ押したり、肛門を押しても・・・・ダメ。もうダメだ。ごめん、私にはどうすることもできないや。
糸が切れたように私は部屋へ戻ってしまいました。
疲れた・・・・。
昨日からの寝不足と、両親のあの冷たい目と、これからいつまで続くのか分からない鳴き声と、もういっそ早く死んでくれないかな、1週間続いたら何か考えないと・・・と思いました。
ノイローゼになりそうです。

その間に両親がロンのシートを変えたりしてくれたみたいで綺麗になってました。
まだ出てはいないみたいで尻尾が「う~苦しいっ」と言ってましたが。

もう8時頃には眠くなってきました。でもここにいるロンは鳴いています。
その顔を見ながら「今日はしばらく鳴いてるのを無視してでも少し眠らないと。」と思いました。

父がストーブを持ってきてくれました。
裏口に寝かせていたので、寒いのです。ロンも寒いだろうけど、人間も寒かった。
この暖かさで少し気持ちが和らぎました。ハロゲンも持ってきてくれたので(これは土曜日だったかな?)ロンの顔に当ててみたり。反応はありませんが。
ペットボトルの湯たんぽは欠かさなかったので、凍える様子は全くなかったです。ただお湯が熱すぎるのには注意しました。熱湯は絶対ダメです。ほんわかあったかいのがいいと思います。

家に入れてから心臓が動いているかチェックするのがくせになっていました。
18日、明らかに弱まっています。手に神経を集中させないと鼓動が分かりません。

そんな状態なのに「これから1年もこんな状態だったらどうしよう」「家族の精神が崩壊しかけたらお金かかっても病院に何泊かさせようか」「鳴くのを止める精神安定剤とやらをもらってこようか」などと考えていたことが今では不思議です。
冷静さがなかったのでしょうか。

日曜の夜8時過ぎからの事はよく覚えていません。
なんやかんやと水やってみたり、シート変えたり。今思えば横で一緒に眠ってあげれば良かった。
風邪をひいていたので、うつすかも?と心配だったこともありましたが、この鳴き声を横で聞きながらなんて眠れないと思ってしまっていました。

一度眠りかけた11時か12時、ふと鳴き出した声で目覚めました。
父も来てくれましたが、父はいつも立って見下ろすだけで何もしません。
「私見るから」と冷たく言い放ちます。「おぉ」今思うと、私と母がいない所では撫でたりしていたのかも、と思います。
「どうしたの~?またアイス食べよっか、ね。(朝になったら。)」
家族には冷たくしか出来ないのに、ロンにはこんなに優しくできます。愛しい存在。

「やばいな、今夜も眠れない」それからイヤホンをして寝ました。
鳴き声が聞こえないように大きめの音量にすると、今度はその音が気になって眠れません。
それでもウトウトしていたみたいです。たまに目覚めても、ちゃんと鳴き声してるかな?とヘイヤホンを外しまます、鳴き声も枯れてきました。たまに「ウォン・・・ウォン・・・ウォンウォン」と二回続けてなくと「何かあったのか!」と気になります。

結局3時半くらいに起きました。
今思うと、その時見慣れない毛布がかけてあったので父が持ってきてくれたのでしょう。有難かった。
「どうした~?」と立たせると、どこかが刺激されたようでぶりっと音がしましたが、音だけで何も出てきません。また「出したいよ~」と大きな声で鳴き出しました。ちょっと出ましたが下痢気味で心配です。獣医さんが「下痢、嘔吐があったら危ない」と言っていたから。前日もそんな感じでした。

もうそれ以外は眠くて眠くてよく覚えていません。
寝ながら世話をしていたような感じです。時計が朝5時を指していたことはなんとなく覚えています。

6時に覚醒しました。
「よし今日は久々にいい天気だし、仕切りなおしだ。外に出して太陽に当てて元気になってもらう!」とちょっとウキウキした気持ちでした。

朝方、それまで平らにしていた寝床をモコモコにしました。もっと早くやるべきでした。
気付いてやれなかったけど床ずれができていました。

昨夜も一度も様子を見に来なかった母は、その朝も素通りしていったようでした。
前々から「そこまでせんでいい。もう老衰や。ロンは早く死にたがってる。」と言っていた淡々とした母です。

でもまさか、今まさに死に絶えてるなんて母も、私も誰も思っていませんでした。

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元気な時。なんとなく、人影はずっと見えていたんだね。

続きます。
by nyph | 2012-11-23 09:39 | 老犬物語+猫 | Comments(0)