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ごく普通の毎日


by nyph

「プライベート・ライアン」(1998/アメリカ)

高校生の時初めてこの映画を観て、あのシーン、このシーンが頭から離れなくなった。

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初めて、戦争の実態を知ったような気がする・・・。



そして、また劇場へ観に行った。
発売されてすぐビデオも買って、何度も繰り返し見た。

でも、見られないシーンが多すぎていつも指の隙間から見てた。

が、今は心臓が強くなったなと実感。
ほとんどのシーンを直視できた!

※心臓の弱い方はこの先ご遠慮下さい。そしてネタバレしてます※

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4人兄弟の内3人を戦争で亡くした母親のため、生き残った1人を戦地から帰還させるため
選ばれた8人が命を懸けて最後の1人を救出に向かう・・
というストーリー。

見終わっていつも思うのは
「生きてて良かった・・・(自分が。)」というくらい、生きた心地のしない映画です。

こんなに無意味に人を殺したり、人が人を撃ったり、こんな理不尽なことがあっていいのか・・・
と毎回言葉も出ない。

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冒頭のノルマンディ上陸のシーンから、もう全く観られなかったです、昔は。
前方のハッチ(と言うんですか?)が開いた瞬間から狙い撃ちにされて一瞬にして全員死んでしまうあの最初のシーン。

撃たれたというより、銃弾で身体がちぎれたような残虐な描写。
あぁ、こうやって皆死んでいったんだ。
一瞬前までは、どんなに固く勝利を信じてようが、関係なく人は死ぬ。

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内臓が飛び出たまま助けを求める兵士、吹き飛んだ自分の腕を持ってさまよう兵士。
怪我をした兵士を引きずっていたら、爆発の後下半身が無かった。
海が血で染まった。

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こんなにもグロいシーン(大の苦手)の連続なのに、なぜか何回も見てしまうのか。

それは、戦争そのものを描いていて、そこには英雄も、正義も、何もない。
反戦のメッセージさえもなく、起こったことをただ画面に映しているだけ。

だからこそ、とても強い反戦映画になっている。

戦争には何もない。

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↑通訳として選ばれたアパム。敵にも友好的な態度で、実戦経験もなく繊細で心優しい。誰かを撃つなんてとんでもない!という態度だった彼。

どこから撃たれるかも分からない極限状態の中、8人は人間らしくぶつかり合ったり、許し合ったりして進む。
そうやって仲間の結束が固くなる程に怖くなる、次の戦場で誰かが死ぬかもしれない。

結局、生き残ったのは3人。

今、目の前で死に絶えようとしている仲間。
一体、何を思うのか。
分からない。
戦争では考えても答えが出る事などない。

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↑このシーン、良かったですね。
それまで「こんな任務、クソくらえ」という怒りに満ちていたライベンが、「自分は残って戦う」と言ったライアンに向けたこの眼差しが大変印象的で。

みんな怒りを感じている。
みんな恐怖を感じている。
でも戦うしかない。

一番、やるせない、そして嫌な気持ちになったのがナイフをゆっくり刺されて殺されたシーン。これ、子供の時にでも見ようものなら一生トラウマ間違いなし。
しかも刺しながらもあのドイツ兵は極めて冷静でしたよね、あんな恐ろしい人間がいるのかと恐怖を通り越して思考停止してしまいました。

糸が切れたアパム。
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私もアパムのように理想と希望を胸に、とそんな言い訳で現実から逃げようとしていたと思う。
ドイツ兵だって人間だ、分かり合えるはずなんだ、と。
そうじゃない、と分かった時初めて人を撃ったアパム。
理解できないことが戦争では起こるんだ、と初めて理解した時には遅かった。

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こんなにも絶望的な状況の中で、ミラー(トム・ハンクス)が最後に「生きろ」と言う。
そのラストシーンを見た後、言葉を失くしてしまう。

本当に素晴らしい反戦映画だと思います。

俳優陣、素晴らしい。
メリッシュ(アダム・ゴールドバーグ)
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マイク(トム・サイズモア)
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ライアン(マット・デイモン)
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ライベン(エドワード・バーンズ)
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大好きなジョバンニ・リビジとバリー・ペッパーも出てます。

そしてトム・ハンクス。

何度見ても毎回、心揺さぶられる映画です。

一度は見ていただきたい、と思います。

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by nyph | 2013-10-10 23:46 | movie | Comments(0)